GIGAMIX DM-SYSTEM2 はじめに

この度は、ギガミックスの「DMシステム2テクニカルハンドブック」をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございました。DMシステム2は、8ビットパソコン・MSXのBASIC言語を大幅にパワーアップし、今流行のマルチメディアもどきを実現する(かもしれない)、BASICプログラム支援ツールです。

そうです。“BASIC”という過去の思想に基づく寂れたプログラミング言語で、です。

いまどきMSXで覚えたって実用にもならない、DirectXだって使えないし…。Windowsパソコンが主流の世の中、なにも1999年にもなってMSXの技術書を出すことはないだろう…という話は、何度も耳にしました。

かたや、それまで何一つコンピュータの知識が無い、ゲーム専門学校に通うプログラマ志願の学生が、最新のプログラミングの授業に付いて行けず挫折する…という話も、何度も耳にしました。

コンピュータはますます複雑化してゆきます。ソフトウェアを創る者(クリエイター)と、それを使う者(ユーザー)との技術格差は、今後も開く一方でしょう。パソコンのプログラムを組むなんて行為は、この先それだけで誉められる行為になるのかもしれません。

ソフトウェア作りは「作った者の勝ち」なのです。ですから、やれC言語だ、いやVC++だ、これからはJavaでなきゃダメだ…とか、そんな話は、創作活動の手段を選択しているだけのことでしかありません。

BASICは確かに“古くさい”言語です。長いコーディングには向きませんし、なにより処理速度が遅くて実用性に欠けます。しかし、やさしい英単語で記述できるため、非常にとっつきやすい言語であることは誰もが認める事実です。

プログラムを作るという行為がめずらしいものになってしまったこんな時代だからこそ、我々ギガミックスは誰でも習得できる可能性を持っている単純な言語、BASICをもっと面白くしたいのです。

もともとMSX-BASICは数あるBASIC言語の中でもわりと洗練されており、ハードウェア仕様も明快なので、MSXはとてもプログラミングしやすい環境として、今でも語り継がれています。

DMシステム2は、そんなMSX-BASICにおいても無理難題とされてきた数々の技術を実現しました。プログラムの記述法はBASICと同じでいて、MSX-BASIC以上に表現が広がります。もはや鬼に金棒と言っても過言ではないでしょうか。

BASICを覚えてソフトを作るのならば、最終的にはやっぱり、あれこれ凝って立派なソフトを作ってみたいではありませんか。DMシステム2なら、MSXを120%活用できることをお約束します。骨までしゃぶる快感をいっしょに味わいましょう。

この「DMシステム2テクニカルハンドブック」では、DMシステム2の構造、機能、そしてプログラム方法を分かりやすく解説しています。サンプルもできるだけ理解しやすいように製作したつもりです。

本書をきっかけとして、より多くのユーザー(クリエイター)の皆さんがMSX-BASICとDMシステム2で思い通りのプログラムを作れるようになり、MSXを「便利な道具」として、また、MSXを「表現方法」として活用していただければ、これ以上嬉しいことはありません。

将来プログラマの仕事に就きたいと思っている学生のみなさんなら、プログラミングの手法、そしてプログラミングの楽しさを味わうための手段としてBASICを、そしてDMシステム2を活用していただきたく思います。BASICは「自分の今後の踏み台」として十分に機能します。

DMシステム2を使って、MSXシーンを、そしてプログラミングを面白くしましょう。日曜大工ならぬ、「日曜プログラマ」に乾杯!

ギガミックス代表 ニューファンキー小林(ban)


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